「반짇고리(パンジッコリ)」とよばれる類のものと思われ、韓国語で“裁縫道具を入れる小箱・籠”を意味します。朝鮮時代の家庭では、針・糸・指ぬき・小ばさみなどの日常の裁縫道具をまとめて保管するために用いられました。当時、裁縫は家事の一つであると同時に「身につけるべき徳目」とされ、奴婢がいる両班家であっても女性は裁縫を学ぶことが求められていました。裁縫箱は、そうした日々の手仕事を静かに支えてきた生活道具といえます。
底面には墨で「顯忠祠(顕忠祠)」と記されています。顕忠祠は、豊臣秀吉の朝鮮出兵期に活躍した名将・李舜臣を祀る祠堂で、1706年に建立され、翌年に第19代国王・粛宗が「顕忠祠」の名を与えたと伝えられています。現在も忠清南道牙山市に位置し、韓国の史跡第115号に指定されています。本品は、祠に関わる家の所蔵品、または祀りや祭事の際に用いられた器物、あるいは奉納品であった可能性が考えられます。来歴を断定できる資料はありませんが、祠との縁を示す興味深い墨書です。
四方を囲む素朴な構造に、側面下部の繊細な曲線が控えめな装飾としてあしらわれています。角の擦れや墨書の薄れなど、経年の変化が見られますが、この品が重ねてきた時間を静かに物語っています。
浅く広く安定したかたちは扱いやすく、茶器のトレーとして、文具や小物の定位置として、また季節の飾り台など幅広くお使いいただけるかと思います。ぜひ日常のなかで歴史を感じていただければと思います。
Wide:約32.7cm
Depth:約32.7cm
Height:約9cm
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商品は丁寧にケアを施してから撮影・発送しておりますが、骨董品であるため、長い年月の経過による傷みや、磨いても完全には除去できない汚れが残ることがございます。
写真についても、できる限り実物の色味に近づけるよう心掛けておりますが、お使いのモニター設定やお部屋の照明環境によって、実際の商品と色が異なって見える場合がございます。
また、画像に映りきらない微細な傷などがあることがございますが、これも骨董品ならではの味わいとしてご理解いただければ幸いです。追加のお写真などを希望される場合はお気軽にご連絡ください。